気まぐれゲーム記録「ファミコン版ドラクエ3 最小必須アイテム縛り ~3~」

前回の冒頭で触れた衝撃の事実が判明する今回はバラモス討伐までをレポートする。本縛りプレイの概要とこれまでの内容については下記リンクを参照されたい。

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おろち退治の後は町を作ろう

まるで雑魚を蹴散らすかのようにやまたのおろちが倒せてしまったので、残る中ボスのボストロールにすぐさま挑んでもよいのだが、その前にスー東の平原にて町づくりをすることにした。ルイーダの酒場で登録した商人を連れて生贄にささげる。

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主役がドイツ3Kなので、当然商人もそれなりの人を送らねばなるまい。

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旅の思い出と言われても、半日にも満たないのだが…

やまたのおろちまで倒しているので、何回か出入りすることによって、何段階かは即座に町が発展する。今回の攻略では、この町の後半の段階で武器屋に並ぶドラゴンメイルをバラモス対策として使うので、普段はオーブ以外にほぼスルー状態(にも関わらず発展させることが必須なのが面倒)なこの町も、アリアハンの宿屋同様に存在意義を確かめる好機である。

ボストロール退治からガイアの剣まで

町の発展のフラグの一つにボストロール撃破がある。ここらで地上世界に残された中ボスの残り1体である彼を軽くひねりに行くことにする。強さのレベルはやまたのおろちとどっこいどっこいで、痛恨の一撃による即死に気をつければさほど問題はないだろう。

サマンオサ南の洞窟はラーの鏡以外を無視するとほんとに一瞬で終わるダンジョンだ。個人的には幽霊船の次に短い。なんと敵とのエンカウントが1回もなく目的達成。そのままサマンオサにてラナルータからの城への潜入、ボストロールの暗殺を滞りなく成功させる*1。武闘家の会心、魔法使いのマヒャド×2でおしまい。あ、今まで銅の剣だった勇者もやまたのおろちから手に入れた草薙の剣で大幅強化されてたのを忘れてた。
戦利品である变化の杖は、そのままグリンラッドの老人に渡すことはせず、エルフの隠れ里に寄って(ルーラ非登録地のため、縛り違反にはならない)、魔法使い用の天使のローブと祈りの指輪をたくさん買い込んだ。闇ゾーマと戦う予定の本攻略においては、戦闘中に祈りの指輪を使う暇はないであろうし、十分レベルを上げて挑まざるを得ないためにゾーマ城では中ボス以外全逃げで安定すると思われるので、正直、保険の意味でしかないが、気休めにはなるだろう。

必要な買い物を終え、じじいに杖を渡して骨をもらったら、通常プレイであればロマリアにルーラして沖合に向かうところ、ルーラに登録されていないためポルトガに飛び、幽霊船に向かう。
ドラクエ3の地上世界は、広く知られている通り、モチーフが世界地図となっていて、主人公もアリアハン脱出後はマルコポーロの後を追うように東を目指すシナリオになっているし、大航海時代を牽引したポルトガルで船をもらう、といった歴史と絡めたイベントが多い。しかしながら、この幽霊船のイベントだけはどうにも納得し難いものがある。なぜロマリア沖(地中海)なのだろうか。幽霊船といえば、喜望峰あたりで目撃される、さまよえるオランダ人フライング・ダッチマン)ではないのか。初回プレイであればどこに出現するのかわからないので、幽霊船の場所を示す船乗りの骨を使って地道に探すことになるわけだが、2回目以降は出現先が特定され、かつあまりにも出現範囲が狭いことから、船乗りの骨は使われることなく預かり所へ直行する。さまよえるオランダ人を下敷きにしていれば、テドンからレイアムランドの間の広い範囲での出現とすることで、繰り返しプレイにおいても船乗りの骨を使わせる機会はあったであろうに。

とまあ、そんなことを考えている間に愛の想い出を入手。これも謎アイテムのひとつである。公式ガイドブックのイラストではペンダントだったのだが、それを知らない場合は、「愛の想い出って何だ?」といういらぬ憶測を生むに違いない。今なら3Dグラフィックで表現できるのだろうが、当時のROMカセット容量では不可能。じゃあ最初から「愛のペンダント」にすればいいじゃんと思うかもしれないが、おそらくは文字数制限(7文字まで)に引っかかってしまうのだろう。かといって「ペンダント」じゃ味気なさすぎるし、ペンダントの中心に肖像画っぽいものがはめ込まれているから「愛のロケット」でも間違いはないが、それだと愛のチャンピオン号と混同して、しんみりムードから一気に爆笑ムードに突入するので不都合だ。結局のところ、このアイテムの名前は堀井雄二のセンスの賜物であろう。

話が脱線した。

愛の想い出を手に入れた後は、ほこらの牢獄に行きつつ途中で世界樹の葉を拾い、ガイアの剣を持って火山の火口へ。アッサラームからが一番近いが、例によってアッサラームはスルーしているので、バハラタから船で向かう。火口にガイアの剣を投げ込んで、いよいよ地上における難関、ネクロゴンドの洞窟に挑む。

快進撃のツケを払う…かと思いきやそうでもなかった

ネクロゴンドの洞窟は、ドラクエ3を通して見ても規模が大きい洞窟だ。単純に広いという意味ではなく、道のりが厳しいという意味である。ドラクエ2ロンダルキアへの洞窟ほど過酷ではないのだが*2、それでも迷いやすい分岐や強力なモンスターはやはり脅威である。

今回のプレイにおいては、回復役の僧侶が不在ということと、魔法使いと決定的に相性の悪い敵(ガメゴンロード、ホロゴースト)、3人パーティーゆえに一発で全滅のおそれのある敵(地獄の騎士×3、ホロゴースト×4)などが主な脅威であり、また魔法使いのMP切れも警戒せねばならない。実際、初回の潜入ではろくに進まないうちにホロゴースト×2&地獄の騎士×1に遭遇し、ホロゴーストのザラキで武闘家以外の2人死亡(天使のローブが泣くぞ)、帰ろうとした矢先に地獄の騎士×3にエンカウントしてなぶり殺されてしまった。

あまりにも鮮やかに全滅したのでレベルを上げようかとも思ったが、どれだけ上げれば楽なのか確証はなく、そもそも武闘家レベル32、勇者レベル34、魔法使いレベル39の時点で越せない道理もなかったので、即再チャレンジを決行。結果、ホロゴーストとの出会いがなかったこともあり、あっさり突破できてしまった。洞窟を抜け、ほこらまでの短い道のりでトロルが襲ってきたがメラゾーマ会心の一撃で一瞬のうちに無に帰した。シルバーオーブも無事に入手。

最後のオーブと町の名前

ここまで物語が進んでいれば(というかボストロール撃破の時点でオーブの数もシルバーとイエロー以外そろっていたので既に条件は満たしていたのだが)、商人の町も最終段階に発展させることができ、イエローオーブを入手することができる。

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ろぜんバークと言っているが、正式な発音はもちろんローゼンベルクだ。

町で聞き込みをすると、「ろぜんさまは わたしたち まちのにんげんを はたらかせすぎる!」とのこと。そりゃあ今はワーカープレイスメントのボードゲームばっか作ってるもんな。というわけでラナルータをかけて夜にして革命フラグをたて、再びラナルータで朝に。これで晴れて商人ウヴェはモノポリーよろしく牢屋にぶちこまれ、イエローオーブの在り処を主人公にゲロすることになる(話しかけなくても回収は可能)。ついでに武器屋でドラゴンメイルを買って、この町ですることはすべて済ませた。

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3Kと共作したことはないはずだから、この子供は何か勘違いしているのだろう。

そのままアリアハンにて預かり所からオーブを引き出してレイアムランドに行き、無事にラーミアが復活した。

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意味ありげな浅瀬を発見するが、ゲームの進行上関係がない場所のようだ。

バラモスとの対決、そして衝撃の事実

ラーミアが復活したので、いよいよバラモス城に乗り込む。バラモス城は気持ちモンスターとのエンカウントが低い気がする。気をつけるべきはホロゴーストのザラキのみで、ダメージをくらって回復にMPをとられるという意味ではエビルマージも厄介ではあるが、よほど運が悪くなければさほど消耗することなくバラモスのもとまで行ける*3

バラモスの行動は完全ローテーションによる2回行動だ。マホトーンによる行動変化をさせなければ、

イオナズン→攻撃→炎→メラゾーマバシルーラ→攻撃→イオナズンメダパニ

を順番に行う。バシルーラメダパニが行動に含まれていることが、実にいやらしい。バシルーラは死亡状態と異なり、食らってしまうと戦闘に復帰することができない。メダパニはパーティーアタックで正気に戻る可能性はあるものの、攻撃が激烈な最中に、わざわざパーティーアタックのために手数を割く余裕がない(バラモスは1ターンにHPが100程度自動回復する)ため、単純に人員が1人減るだけでなく、地味に仲間からのダメージが蓄積する(混乱していても行動選択はできるので、防御攻撃ができなくならないのは救い)。この2つの呪文をいかにかわせるかが重要になってくる。イオナズンメラゾーマについては前衛は軽減することができない(まあ防御攻撃をすればいいのだが)が、魔法使いはマホカンタで無効化できる。炎については先程買ったドラゴンメイルで勇者のみダメージが軽減する。

基本的な戦術はこうだ。

  1. 武闘家はひたすら攻撃をし、会心の一撃を狙う
  2. 勇者は初回に草薙の剣を使ってバラモスの守備力を下げ、後は攻撃と回復をバランスよく行う
  3. 魔法使いは初回にバイキルト(勇者)、2ターン目にマホカンタ、3ターン目にモシャスで勇者に、後は勇者と同じように攻撃と回復をバランスよく行う

ちなみにマホカンタがかかったキャラクターは、他人からかけられる回復呪文は跳ね返すが、自分でかけた呪文は跳ね返さないので、マホカンタ後にモシャスで勇者になれば自分へのベホマで回復ができ、さらに炎と直接攻撃以外に対しては絶対に安全である。危険なのは1ターン目と2ターン目だ。マホカンタ状態の魔法使いは勇者からのベホマを受け付けないので、モシャスからの自分へのベホマがかけられる4ターン目までを回復なしで凌がなければならない。魔法使いには2ターン目までに、確実にイオナズン(平均70)と炎(平均90)のダメージが入ることになる。さらに初回に攻撃が魔法使いに刺されば(平均80)、2ターン目にあっさり殺られてしまう。つまり1ターン目の攻撃対象が魔法使いだったら、ほぼ詰みである*4

第1戦目。危惧していた通常攻撃が魔法使いに当たってしまい、死亡。続くターンで勇者のザオラルが決まるも、再びバラモスの攻撃が魔法使いを襲い、再び死亡。次ターンに奇跡的にザオラルが連続で成功したが、イオナズンでパーティー全体がボロボロであり、もはや立て直しが不可能となった。

第2戦目は前述の通りザオラル10回失敗したので目の前まで行くも挑戦を断念。

第3戦目。2ターン目までに魔法使いが生存したので、3ターン目にモシャスが成功、あとは魔法使いを回復役にして前衛二人で殴る体制が整った──かに見えたが、3ターン目に武闘家がバシルーラで飛ばされ、4ターン目に勇者がメダパニを食らって投了。

バラモスとの決着が訪れたのは第4戦目であった。

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バラモス戦直前のルーラの登録地。縛り通り、必要不可欠なところのみである。

1ターン目は特に問題なく、草薙の剣の守備力ダウンも入って完璧な立ち上がり(バラモスの攻撃は勇者に)。2ターン目は勇者はベホマで魔法使いを回復、しようとしたらマホカンタが先行して結局自分を回復するというアホをやらかしたが、3ターン目の攻撃が武闘家狙いだったので、魔法使いは無事に生存確定。マホカンタ状態の勇者となり、かなり安定した。が、続く4ターン目。武闘家は引き続き攻撃をしつつ、次ターンからの攻勢のため、勇者と魔法使いはベホマで回復をかけていた矢先、武闘家がメダパニにかかってしまった。これはだいぶ辛い展開だ。5ターン目は勇者は攻撃、魔法使いは正気に戻ることを期待してパーティーアタックで武闘家。が、正気に戻らず。モシャスのために攻撃力が上がっていて、武闘家にも結構なダメージが入ってしまった。6ターン目以降は作戦を変更。武闘家を正気に戻すのは諦め、全員の生存を優先する。そうしないと前衛二人の防御攻撃ができないし、バラモスの通常攻撃の的が少なければ、魔法使いの生存が危うくなるからだ。かくして勇者は常に攻撃、魔法使いはベホマ、余裕があればライデインバシルーラメダパニのターンだけはヒヤッとするが、なんとかダメージを蓄積させること10数ターン。ついにバラモスを倒した。

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ついにバラモスを成敗。

アリアハン凱旋の前に

バラモスを倒すと、ステータスが全回復し、かつルーラの行き先がアリアハンのみになる。この時点でなぜかラーミアが職場放棄しているので、脱出するためにはルーラかキメラの翼でアリアハンに飛ぶ必要がある。また、毒の沼地やバリアーのダメージも無効化され、ドラクエ1のようにローラ姫救出後にモンスターにやられる、ということは、基本的にはない。

バラモス城脱出の前に、城内にあったお宝(魔神の斧、祈りの指輪、不幸の兜)を回収してアリアハンへ。そこからいざないの洞窟を抜け、ポルトガにてサブリナから誘惑の剣をもらう。と、そこでなんとなく思うところがあり、ポルトガの関所から旅の扉を通ってサマンオサまで行き、サマンオサ南の洞窟へ。この洞窟、宝箱がそこかしこに置いてあるのだが、半分くらいはミミックである。思うところというのは、バラモス討伐後に全滅したらどうなるのか、ということで、それを検証するためにここに来たのだった。ミミックも無事に出現し、さあザラキをかけるがよい、と思っていたら、一向にザラキがかからない。ホロゴーストを見習え。仕方がないのでパーティーアタックで無理やり全滅した。

と、ここで1点補足を。ドラクエ3をやったことのある人は、大半の人がセーブをするときにダーマを選ぶ。なぜならダーマ神殿に入ってすぐ目の前にセーブじじいがいるから、わざわざ町中~城を歩いて王に会いに行かずとも済むのだ。が、本攻略ではダーマは禁足地なので、次にセーブがしやすい場所であるアリアハンルイーダの酒場をもっぱら利用している。ルイーダの酒場でセーブすると、次に冒険を再開するときにはルイーダの酒場ではなく、最後に使った正規のセーブポイント(=王やセーブじじい)からの再開となる。このプレイにおいては最後に使った正規のセーブポイントサマンオサだったので、サマンオサ王のところから再出発となった。後から思ったのだが、アリアハンが再開場所にすべきであった。なぜならバラモス討伐はアリアハン王に報告するものである。全滅して情けないと言われた次の瞬間に話しかければ、手のひらを返してバラモス倒してめでたいという、情緒不安定ぶりが観察できるからである。

ゾーマ登場とその後の衝撃

それはさておき、特に変わったこともなかったので棺桶を引きずったまま、アリアハン王にバラモス討伐を報告し、大魔王ゾーマの出現イベントを見たのだが…

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棺桶を引きずったまま、アリアハン王に報告。

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ゾーマ出現(声のみ)…んっ?

あれ?枠と文字が白い…?

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あ、戻った。

なるほど、画面が暗くなるときと、死亡時の色の処理がバッティングしたから、暗転が終わった瞬間に死亡時の色が適用されたということか。なるほど。

バラモス討伐後の検証事項も済んだことだし、いよいよアレフガルドに行くか、と思い、ギアガの大穴に行くべくポルトガに飛ぼうとしたその瞬間の出来事であった。

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…何ィ!?

おそらく理由はこうだ。バラモスを倒した直後は、ルーラの登録地がアリアハンのみになる。これはバラモスがラスボスであると思わせ、かつストーリーを進めるためにはアリアハン王への報告が必要であると誘導するためだ。しかしゾーマの出現によって旅がまだ続くことになり、かといってまた最初からひとつひとつ城や町を訪れ、ルーラためのブックマークをさせるのはナンセンスである。だからバラモス討伐前のルーラの登録地を呼び出せばよいのだが、このゲーム、容量がギリギリすぎて余分なものを記憶しておくリソースがない*5。だから、ゾーマ登場後のルーラの登録地は、一括して地上世界の城・町・村が登録されるような仕組みにしたのであろう。

というわけで、最小ルーラ登録地を証明することができなくなってしまった。とはいえ、今更縛りをゆるくするのもこれまでのプレイに対して失礼なので、ルーラに登録されていても、訪れる必要のないところは行かないスタンスは変えないで行くことにする。

*1:ちなみに昼間でも誰もいない王のベッドでラーの鏡を使えばボストロールと戦うことは可能。

*2:ロンダルキアの洞窟は、それまでのダンジョンではまったく存在しなかった見えない落とし穴、無限ループ、順番を間違えるとスタートに戻される迷路といったギミックに加えて、上層で出るドラゴン×4、キラーマシーン×1&ドラゴン×2、ハーゴンの騎士×4といった凶悪極まりないモンスターが襲いかかってくる。何より洞窟を抜けて気が緩んだところに出現するブリザード×3のザラキによって全滅し、心が折られるところに真の過酷さがある。

*3:1回だけ、バラモス直前のところでホロゴーストに遭遇し、勇者以外の2人が死亡、10回連続ザオラルが失敗して、祈りの指輪も1回で破壊(made in China)ということがあった。

*4:あとから考えれば、魔法使いは相当素早く、バラモスに先行しやすいので1ターン目にマホカンタ、2ターン目にバイキルトのほうが安定して戦えたはずだ。

*5:もともとバークの町の商人がパーティーに戻ってくるはずだったが、商人のデータを記憶するだけの容量がなく、結局牢屋に置き去りにせざるを得なかったとか、作曲されていたものの容量の都合で入れられなかったバラモス戦のBGMとか、容量不足に泣かされたエピソードは枚挙に暇がない。