前回はバラモス討伐とそれに付随して起きた悲しい出来事についてレポートした。最終回の今回は一気にゾーマ打倒といくつかの検証について行った。前回までの内容は下記リンクを参照されたい。
まずは素材を集め、装備を整える
すっかりやる気を失ったアリアハン王を見限って、城を後にし、バラモス城の東に空いたギアガの大穴からアレフガルドに向かう。アレフガルドではゾーマの城に渡るための虹の雫の素材集めと勇者の装備を整えることから始めることにした。
虹の雫の素材である太陽の石はラダトーム城、雨雲の杖はメルキド南のほこら、聖なるまもりはマイラの北西の塔(妖精の笛が必要)にある。一方、アレフガルドで揃える装備は雷神の剣、光の鎧、勇者の盾、水の羽衣の4つ。光の鎧はマイラ北西の塔、勇者の盾はラダトーム北の洞窟、水の羽衣はマイラで手に入る。雷神の剣はモンスターからのドロップアイテムで、今回はマドハンドが呼ぶだいまじんを狩ることにする。
まずはラダトームに寄って太陽の石をもらう。その足でラダトーム北の洞窟に向かった。この洞窟はピラミッドの地下と同様に呪文が使えない場所だ。にも関わらず呪文主体のアークマージが出現するのはかなり謎である。それはさておき、特に苦労することもなく勇者の盾を回収することができた。
次に向かったのは、経験値稼ぎのため敵とのエンカウントが確実にできる銀の竪琴を盗むためにガライの家。こんな辺境に住んでいるガライの両親の見識を疑う。そして銀の竪琴を手に入れたはいいが、効率が悪すぎてほとんど使わずじまいであった。すまんガライ。
次は本来の目的地であるマイラへ。徒歩でいけると思っていたが、船でしかいけなかった。途中でドラクエ3における最悪エンカウントであるクラーゴン3体に遭遇。半殺しにされる*1。なんとかマイラ着。水の羽衣と妖精の笛を回収。普通のプレイであればドムドーラでオリハルコンを拾って、ジパングから流れてきた男の店に売ると、勇者最強の剣である王者の剣が買えるようになるのだが、本プレイではドムドーラに立ち入ることができないため、無用の人物に成り下がってしまった。
マイラで妖精の笛を手に入れれば、北西の塔で石化ルビスを生身に戻せるので、早速向かう。メイジキメラのメダパニに苦しめられながらも、光の鎧を回収し、ルビスの石化も解いて聖なるまもりをもらうことができた。この塔ははぐれメタルが結構な割合で出現するので、最後のレベル上げ道場として、後日足繁く通うことになる。
ルビスのまもりを手に入れたら船でアレフガルドの南へ。メルキド南のほこらで雨雲の杖をもらい、聖なるほこらで太陽の石、雨雲の杖で虹の雫を合成してもらった。聖なるまもりいらんかっただろ。
そのままリムルダールを横目に魔の島の海峡で虹の雫を使ったらラダトームに戻り、その北側でマドハンドに呼ばせただいまじん狩りをする。マドハンドは2体分以上のスペースがあると必ずだいまじんを呼ぶ個体とだいまじんを呼ばない個体がいるらしいので、だいまじんを呼ばない個体ばかりの場合はベギラゴンで一掃。だいまじんが呼ばれたら、マドハンドを処理した後、武闘家とバイキルトのかかった勇者で倒す、という作業を続けること1時間、さほど苦労することなく雷神の剣をゲット。これで必要なアイテム、装備はすべてそろった。
ゾーマの戦力を分析し、育成目標をたてる
まずはダメージソース。今回のプレイで撃破することになる、光の玉を使わない状態のゾーマ(以下、闇ゾーマと言う。)だが、HPは1023、守備力が300もあり、かつ自動回復が毎ターン100である。力が255の武闘家でも会心の一撃が出なければせいぜい平均ダメージが60~70程度しか叩き出せないし、攻撃が苛烈であることを考えれば短期決戦を挑むしかない。悠長にベホマで一人ひとり回復する暇はないので、回復はモシャスで勇者に化けた魔法使いによるベホマズンのみ、勇者はひたすらギガデイン、武闘家はできるだけ会心の一撃が出ることを願うことになる。武闘家の会心の一撃は、レベル/256の確率で出るので、レベル99なら2.5回に1回は会心の一撃が出る計算だ。ここまで育てれば容易に勝てるだろう。
次にゾーマからの攻撃に耐えるために必要なHP。以前の記事にも書いたが、改めて説明すると、闇ゾーマは以下のような完全ローテーションで行動する(常時2回行動)。
- 吹雪(120前後のダメージ)
- マヒャド(60前後のダメージ)
- 吹雪(120前後のダメージ)
- 攻撃(脅威の攻撃力550)
- 凍てつく波動
今回の回復は魔法使いのベホマズン任せなので、どう頑張っても2ターンに1回しか回復ができない。また直接攻撃は前衛の武闘家に刺さると、みかわしの服しか装備していないために平均して230ものダメージを食らうことになる。今回のプレイでは妥協して防御攻撃を使うとは言え、それでも前衛の武闘家が2ターンの間に蓄積するダメージは300弱である*2。よって、事故にそなえるならば、武闘家や魔法使いのHPは350は最低でも欲しい。
また攻守の要となるのは、勇者のギガデインと魔法使いのベホマズンだが、ギガデインの消費MPが30、不思議な帽子をかぶった魔法使いのベホマズンの消費MPは57(モシャス10+ベホマズン47。帽子がない場合はモシャス12+ベホマズン62=74)。短期決戦を挑むので、魔法使いの分については5回分もあれば十分だが、問題は勇者のMPだ。実はドラクエ3でモシャス後に呪文を唱える場合、唱えられる呪文はモシャスした相手の残りMPが参照される。どういうことかというと、魔法使いがモシャスで勇者に変身した後、ベホマズンを唱えようと思ったら、唱える本人ではなく勇者の現在のMPがベホマズンを唱えられる分だけ残っていないと、なぜか「MPがたりない!」のメッセージが出て呪文が唱えられないのだ。よって、勇者はギガデインにすべてのMPを振り分けることができず、魔法使いがベホマズンを唱えられるように最低でもMPを47残しておかなければならない。闇ゾーマにギガデインが効く確率は100%ではないので、外れも考慮すると5回は唱えたい。よって、30×5+47=197は最低でも欲しい。
ここで、バラモス撃破時の能力を見てみよう。
あとは、闇ゾーマには1回で勝てるとは思っていないため、何回も通うことになることを考え、ゾーマ城のモンスターから確定逃げができるように、とりあえず武闘家のレベルを55まで上げることにした。ドラクエのキャラクターは、だいたいレベル20~50くらいが一番能力の伸びがいい。武闘家のレベルが55なら、前述の成長目標も満たせるに違いない。
マイラ北西の塔を道場として
育成目標が決まったので、レベルアップ時の能力吟味もあわせてキャラクターを育成する。レベル上げをしていると、勇者のレベルアップのしやすさが顕著になってくるが、成長が頭打ちになるのもまた早いのを実感する。レベル40くらいのときには最大HPが20近く伸びることがあるだが、だいたいレベル40後半から途端に成長が鈍くなり、レベル55を超えると最大HPは完全に頭打ちになる。一方で、魔法使いは伸びの頭打ちが遅く、堅調に成長する。武闘家はレベルアップが遅いのだが、力、素早さの伸びが異常すぎて、1レベルごとに成長の壁に達し、超絶能力アップと能力アップなしを交互に繰り返すようになる。
銀の竪琴よりもここの画面切り替えの方がエンカウント効率がよい。30分で全員が1レベル上がるくらいの経験値が稼げる。最もよく出会うモンスターはラゴンヌ3体で、こいつらはだいたい経験値が3000弱。4回戦えば経験値は10000だ。次のレベルアップまでの必要経験値は勇者で約100000、魔法使いで約130000、武闘家で約140000で頭打ちとなるので、最もレベルアップの遅い武闘家であっても60回程度戦えばレベルが上がる。このくらいであれば、ナジミ道場で鍛えた精神力はビクともしない。当たりのエンカウントははぐれメタル5体+ラゴンヌ2体で、うまくいけば武闘家の会心の一撃と魔法使いのドラゴラムではぐれメタルを2、3体倒すことができる。逆にはずれのエンカウントはマクロベータ2体。経験値も少なくクソ弱いのだが、くさった死体を呼んだり、意外とタフなため、無駄に時間を食う。なんのためにいるモンスターなのか理解に苦しむ。
レベルアップ吟味も交えつつ、とうとう武闘家が目標レベルである55に到達した。この段階で、各々のステータスは以下の通り。
だいたい目標通りのステータスとなったので、いよいよゾーマに挑むことにする。
脅威!闇ゾーマ…あれ?
思うところがあったため、まずはサマンオサでセーブ。その足でアリアハンの預かり所に預けていた祈りの指輪を引き出す。ルーラでマイラに飛び、宿に泊まってからゾーマの城を目指す。
事前に中ボスのだいまじんは蹴散らしておいたので、道中は全逃げでHPとMPがほぼ完全な状態でキングヒドラまでたどり着いた(途中でカンダタ似の半裸の男とキングヒドラの茶番があったが、そんなことはどうでもいい)。
キングヒドラ、バラモスブロス、バラモスゾンビは特筆することは何もない。作戦はすべて同じ。1ターン目に武闘家、勇者が攻撃、魔法使いは勇者にバイキルト。これだけで武闘家に会心の一撃が出れば2ターンで終わり。でなくても4ターンで確実にケリがつく。クラーゴン3体のほうが脅威なくらいだ。
とはいえ無傷で終わることはなく、また少しでもHPが減っていると、それだけで十分な致命傷になりうる闇ゾーマに備え、勇者のベホマで回復し、勇者と魔法使いは各々の祈りの指輪でMPを完全に回復させた。いよいよゾーマに挑む。
闇ゾーマ戦は、相手と同じくこちらも完全ローテーションでコマンド選択をする。
1ターン目、武闘家・攻撃、勇者・ギガデイン、魔法使い・モシャス(勇者)
2ターン目、武闘家・攻撃、勇者・ギガデイン、魔法使い・ギガデイン
3ターン目、武闘家・攻撃、勇者・ギガデイン、魔法使い・ベホマズン
4ターン目、武闘家・攻撃、勇者・ギガデイン、魔法使い・モシャス(勇者)
5ターン目、武闘家・攻撃、勇者・ギガデイン、魔法使い・ベホマズン
6ターン目、武闘家・攻撃、勇者・攻撃、魔法使い・バイキルト(勇者)
7ターン目、武闘家・攻撃、勇者・攻撃、魔法使い・モシャス(勇者)
8ターン目、武闘家・攻撃、勇者・攻撃、魔法使い・ベホマズン
9ターン目以降は6~8ターン目を繰り返す。タイミングによってはバイキルトを飛ばしてモシャスを使う。
闇ゾーマの素早さは255なので、魔法使いのベホマズンはだいたい後攻するため、無駄なく回復することができる。ちなみにベホマズンを選択していた場合に、先にゾーマに凍てつく波動でモシャスが解除されても、ベホマズンは無事に発動する。
ターンのめぐり合わせによっては魔法使いもギガデインを打てることもあるが(2ターン目は確定)、すごい勢いでMPが減るので、温存するほうがいいだろう。なお、ゾーマが直接攻撃をしてくるターンに攻撃が魔法使いに刺さると、その時点でほぼ詰む。前衛の二人と異なり、防御行動ができないため、そのターンにベホマズンを選択していない限り、次のターンを生き残ることは絶望的である。
このローテーション、武闘家の会心の一撃が複数回出て、かつギガデインが外れることなく刺されば5ターン目あたりで勝負がつくのだが、ギガデインが半分くらい外れるとかなりきつい。1回目の挑戦はまさにこの状態に陥ってしまい、魔法使いにも無理してギガデインを唱えさせたら回復が間に合わず、やむを得ず勇者にベホマズンを使わせてしまったために、前述のモシャスの仕様により、魔法使いがベホマズンを唱えられなくなってしまった。こうなったらもはや勝機はない。
ゾーマ2戦目は、ギガデインが外れたのは1発だけだったが、今度は武闘家の会心の一撃が出ない。勇者のギガデインが打ち止めになってもゾーマが倒れる様子はない。ジリ貧だなー、と思いながら粘っていると、武闘家の会心の一撃が出始めた。そしてもう一度会心の一撃が出たときに、ついに闇ゾーマは倒れ、この長き挑戦に終止符が打たれたのだった。というかもっと苦戦するかと思ったが、意外とあっさり倒せてしまった。とはいえ運ゲーの域は出ていないので、運が悪ければもっと試行回数は増えていただろう。
恒例の全滅検証
ゾーマの城は崩壊し、3人はラダトーム北の洞窟に飛ばされた。一応ここでルーラの登録先を確認しておこう。
ルーラの登録先である。洞窟を出るとステータスが全回復するので、その際にルーラの登録先もリセットされるのだろうと思っていたのだが…
ゾーマ撃破後の画像から見てもらえれば、一連のプレイの続きであることがわかるであろう。つまりルーラの改竄は割れ目に飲み込まれたタイミングであった。
ルーラ登録先の検証も終わったので、ここからはバラモスのときと同じ検証をする。すなわち、ボス撃破後は敵とのエンカウントが発生せず、バリアや毒の沼も無効となるため、全滅することができないが、バラモス撃破時はミミックや人食い箱による強制エンカウントは有効だったため、全滅することができた。ラダトーム北の洞窟にある宝箱の一つはミミックである。仮にミミックとの強制エンカウントが生きていれば、そこで全滅することで、最後のセーブポイントであるサマンオサで復活でき、デスルーラによって勇者一行はアレフガルドに閉じ込められることなく地上に帰還できるのではないか?
都合のよいことに、飛ばされた先のラダトーム北の洞窟地下3階にある宝箱のひとつはミミックである。こりゃ検証が楽だぜ!と思ってミミックの入った宝箱を早速開けてみる。
他の宝箱(ゴールドが入っている)は普通にゴールドを手に入れることができたので、おそらくすべてのモンスターとのエンカウントが無効になる仕様なのであろう。インパスをかけてみたら、開ける前は赤く光っているのに、中はからっぽ、という自体になりはすまいかと考えてみたが、残念ながらこの場所は呪文が使えないので、後日ラダトーム西南西にある岩山の洞窟で確かめてみることにしよう。
次に別の方法で全滅できないかを考えてみたが、バラモスのときのように撃破後すぐにステータス回復しないのであれば、全員毒状態であれば行けるのではないか。早速スーの近くのどくどくゾンビから毒をもらってゾーマに再挑戦した。
特に苦戦することなくゾーマを撃破し、いよいよ検証だ!と思ったら、あっさり結論が出てしまった。
というわけで、デスルーラによる地上復帰は無理っぽい。やはり勇者はアレフガルドに骨を埋めなくてはならない運命にあるようだ。
そして伝説がはじまらない
いまだかつてこんなに長期間ドラクエ3をプレイしたことはなかったが、それだけにエンディングが沁みた。初プレイのときのエンディングの演出と曲の良さに受けた感動には及ばないが、それでも充実感はある。「そして伝説がはじまった…!」というテロップとともにはじまるイントロから、「TO BE CONTINUED TO DRAGON QUEST I」が表示されるまで、もう何回見たかもしれないエンディングを味わって、電源を落とそうとして…あれ、今回のプレイの性質ゆえに光の玉は地上世界に置いてきたが、これだとドラクエ1に続かないことに気がついた。まあいいか。
おしまい。
(2021/5/4追記)
岩山の洞窟にてゾーマ撃破後の宝箱について検証しました。
宝箱の中身に関係なく、宝箱そのものにインパスの赤青判定が付与されているのか、実際に中身で判定されているが、宝箱を開けた瞬間にゾーマ撃破フラグのON、OFFによって戦闘が回避され、結果として空っぽになってしまうのか、どちらなのかは判断しかねるが、いずれにせよゾーマ撃破後に全滅することは、通常の手段では不可能であると結論せざるを得ない。