宣言「本サイトにおけるボードゲームレビューについてのポリシー」

ボードゲームのレビューサイトは数多く存在するが、中でも人気があるものが点数評価されているレビューである。というのも、今日のようにボードゲームがある程度一般に認知され、購買層が広がると、新しくボードゲームを購入する際に他者のレビューや口コミを参照する人が増えるので、何段階かで評定されているレビューは使い勝手がよいのだ。

だがおれはここに落とし穴があると思っている。

第一に、レビューはあくまでもそのレビュワーの主観でしかなく、また、その時に参加したプレイヤーやセッションの流れに印象が大きく左右されてしまう。例えば初回プレイでいきなり勝ったゲームがあったときに、ただの運ゲーであったり、見通しが悪すぎてぼんやりとしたゲームでなければ、そのゲームに対してそれなりにいい印象が残るのではなかろうか。

次に、そのゲームが優れているかどうかは、ひとつの軸では語れないと考えるからだ。もちろん面白いゲームは評価が高いことは間違いない。だがその「面白さ」とはいったい何なのか?例えばおれはFallingというバカゲーが、誰しも名作と認めるであろう「カタン」よりも面白いと思っている。完成度という意味では比較にならないくらい後者のほうが優れているし、戦略の幅も広い(世界大会が開かれているくらいだ)。にも拘わらず前者を評価するのは、テーマのバカバカしさや、そのテーマにばっちりはまった全員同時アクションというゲームシステムが好きなのである。

最後に、数値によって表現されることで思考停止をしてしまうことを恐れている。レビューはあくまでも参考である。しかし、それが数値で評価されることによって、自分の思考を交えることなく「面白い」「面白くない」と判断してしまいかねない。

以上のことから、本サイトのレビューではゲームに対する数値での評定は行わない。その代わりに、そのゲームのざっくりとした紹介とゲームのキモ、若干の否定的な意見の記述を基本とする。そのうえで、そのゲームをおれがどのくらい好きかを伝えていきたいと考えている。