ボードゲーム雑感「情報の速報性と記事のクオリティ」

少し気を抜くとあれよあれよという間に更新が停滞してしまう。気づけばもう12月である。

この時期はゲームマーケットが終わり、ネット上ではゲームマーケットの戦利品だのボードゲームサークルの新作ゲームのプレイレポートだのが溢れかえるわけだが、なんだかな、という気がする。他サイトの悪口を言いたいわけじゃあないが、横並びすぎて気持ちが悪いのだ。そのくせ、いち早く記事にできるかどうかのマウントの取り合いを演じている感もある。マウント鳥羽もびっくりだ。

新しいものに対してアンテナを張る人がいて、いち早く新情報を広げたいのはわかるが、そうした情報を欲しいと思う人のニーズに沿った記事を提供できているサイトはほんの一握りと感じている。本サイトのレビューポリシーでも述べているが、ほんの数回遊んだだけの感想でゲームを語られたら、本質を見誤ることも多々あると思っている。同人ゲームは玉石混淆どころか石だらけなので、そうした浅いプレイであっても底が見えてしまう、というのは措くとしても、だ。

「好きでやってんだからいいでしょ」という意見もあるだろう。まったくごもっともな意見である。しかし「好きでやってるだけ」のくせに、そうした記事から惰性を感じるのはなぜなのだろうか。記事にするのが義務であるというような、投げやりな内容にしか感じられない。「あー、単純にページビューを増やしたいだけか」という印象しか残らない。生ぬるい記事が横行すると、本当に必要な情報を載せている記事が埋もれてしまうのでは、と思う。

少し前までは、ゲームマーケットなどで発表されたゲームは、本当にそのときしか手に入らないことが多かったが、最近は常連のサークルが作るゲームは後日にアマゾンでも買えるようになってきている。そして、雨後の筍のようなゲームレビューは、そうした注目ゲームばかりがレビューされているわけで、「利いたふうな口をきくな~~!!」と直江兼続ばりに叫びたくなってくる。後からでも手に入るなら、もっとじっくりプレイした後でレビューをすればいいではないか。

直江兼続

直江兼続
<引用:花の慶次原哲夫)>

世間にはほとんど知られていない当サイトであっても、ボードゲームをより多くの人に知ってもらいたいという思いはある。まあ、どちらかというと裾野を広げるというよりは今ある地盤を少し固めるようなことをしている(=ボードゲームを少し知っている層向け)わけだが。だからボードゲームをレビューする際は速報性よりも“再発見性”を重視している。すごく有名なゲームではなく、そこそこ知られているレベルのものを採り上げているのはそのためだ。

SNSが普及した今、何か新しいものに接したときに「まずは検索」ということになりがちだ。そうした中で、速報的なレビューを見せられたら、たいていの人は自分の頭で考えるのではなく、そうしたレビューの雰囲気になんとなく流されてしまうのではないかと思う。現代は期せずしてデマゴーグになってしまうリスクがあるということを、発信者は常に念頭に入れておくべきだと思う。

ここからは余談。少し前にアフィリエイトの申請をし、無事に審査を通過した。といっても、ほとんど無名に近い当サイトのこと、収入を当て込んでいるわけではまったくなく、ひとえに書籍を紹介するときに画像が大きく表示されて便利と思ったからだ。
ところが、ほどなくして運営から規約違反ということで、当サイトの登録が抹消された。理由は「掲載許可があるのかが不明な漫画画像の掲載」とのこと。つまりこのページの直江兼続とか「ジョジョの奇妙な就職面接」の一連の画像が引っかかったようだ。掲載許可をもらっていたとして、そのことを説明すれば解除されるのだろうか?何か釈然としない。これまた「利いたふうな口をきくな~!」と一喝したいところだが、そこまで惜しい権利ではないので、黙って運営の指示に従いました。