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基本情報
- Mundus Novus(新世界)
- Bruno Cathala&Serge Laget
- 2-6人
- 45分
- 2011年
- 言語依存なし(ただしカードのアイコンはわかりにくい)
ゲームの概要
Mundus Novus(新世界)は、大航海時代の新大陸(と今は言わないらしいが)と旧大陸の貿易をテーマにしたセットコレクションゲームである。作者はBruno CathalaとSerge Lagetで、このコンビの作品では「キャメロットを覆う影」などがある。
大航海時代ということで、個人的にはそれだけで魅力的だが、カード主体のシンプルなコンポーネント、美麗なイラスト(アウグストゥスなどのイラストレーターだ)、プレイヤー間の比較的大きな絡み、それにも関わらず直接攻撃要素の小ささといった、良ゲーの条件を申し分なく備えている。
ゲームは大きく4つのフェイズに分けられる。
- イベント→そのラウンドの制限事項が決定する。ランダム要素はほぼなし。
- 補給→交易品カードを補充する。基本は5枚で、所有する船により増える。
- 交易→プレイヤー及び市場間でルールに則った交易品カードをやりとりする。
- 発展→交易品を使って発展カードを得る、あるいは勝利点となる金を稼ぐ。
基本は交易品をセットにして発展カードを獲得して自分の能力を強化しつつ、頃合いを見て交易品を売りさばき、勝利点となる金稼ぎにシフトするプレイが求められる。交易品は10種類あり、それぞれに数値が割り当てられている。自分の能力を強化するときは、できるだけ同じ交易品(=同じ数値がかかれている交易品)を一度に出す。勝利点を稼ぐときは、違う種類の交易品(=違う数値がかかれている交易品)を一度に出す。なおそのときに10種類すべての交易品を出すことができれば、その時点でそのプレイヤーの勝利となる。
このことから、できるだけ多くの手札を持つことが重要であることがわかるが、そのラウンドで使用しなかったカードは、倉庫などの設備で能力を強化していない限りはすべて捨て札となるので、しっかりと能力を強化しないことには始まらない。
ゲームの終了条件は、
- 誰かが1ラウンドに10種類の交易品を売る(そのプレイヤーの勝利)
- ラウンド終了時に誰かが75金以上を持っている(そのラウンドでゲームは終了し、最も金を持っているプレイヤーの勝利)
- 発展カードが5枚未満になる(そのラウンドでゲームは終了し、最も金を持っているプレイヤーの勝利)
大体において2.のパターンとなるだろう。
このゲームは、交易によるカードのやりとりと、発展カードの回転がキモなので、人数がいたほうがよい。boardgamegeekではベストが4人となっているが、5人でも問題はない。6人は未プレイだが、そこまでバランスは悪くない気がする。
注意すべきは少人数プレイのとき。2人プレイは先に倉庫またはカラヴェル船を確保し、手札が7枚程度の状態を確保したほうが絶対的に有利だ。なぜなら、交易品のやりとりが必ず交互に行われるので、自分がとりたいものを確保しやすくなり、結果として違う種類の交易品をそろえやすくなるからだ。そうなると、7枚そろえたときに得られる金は15なので、あっと言う間にゲームが終了してしまう。また説明では省いたが、イベントによる制限事項は、その場に並んでいる一番獲得しやすい位置にある発展カード(=安い交易品でももらえる場所にあるカード)で決まるので、そのカードが獲得されない限りはイベントが解除されない。前述のように、2人プレイではスピード勝負なので、イベントを流すためにイヤイヤ発展カードを獲得する暇はない。そのため、本来は発展カードを獲得するための圧力となるイベントが全然機能しないのだ。このあたり、2人プレイではハウスルールによる調整が必要だろう。
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