ボードゲーム「Coloretto(コロレット)」

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基本情報

  • Coloretto(コロレット
  • Michael Schacht
  • 2-5人
  • 30分
  • 2003年
  • 言語依存なし

ゲームの概要

コロレットは、簡単に言えば同じ色のカードを集めるゲームで、基本ゲームでは同じ色を集めれば集めるほど得点が高い。色は全部で7色あり、3種類の色までは純粋にプラス得点だ。しかし、4色以上の色を集めてしまうと、その分がマイナス得点となる。

得点方法の説明

赤、茶、黄はプラス点だが、4色目、5色目となる緑と紫はマイナス点。一番左の白いのは無条件でプラス2点されるカード。

自分の手番でやるべきことはいずれか2つ。

  1. 山札からカードをめくり、そのカードを任意の列(カード置き場)に置く
  2. 任意の列にあるカードをすべて引き取って、いったんゲームを離脱する

1.について。山札からめくったカードをカード置き場に置くのだが、カード置き場はプレイヤー人数分あり、4人プレイであれば4つのカード置き場がある。カード置き場には置ける枚数の上限があり、3人以上のゲームの場合は、どの置き場にも3枚までしかカードを置けない。そのため、すでに3枚のカードが置かれているカード置き場にはカードを置くことができない。また、すでに2.の行動によってカードが引き取られた場所にもカードを置くことはできない。

2.について。1枚以上カードが置かれているカード置き場のカードをすべて引き取る。引き取られたカード置き場は閉鎖され、そこに新たなカードは置かれない。なおこのアクションを選んだ場合は、いったんゲームから抜け、すべての列がいずれかのプレイヤーに引き取られるまで手番はスキップされる。

4人プレイのカードの列の例

4人プレイの例。各列に置けるカード上限が3枚ということを一番左のカードが示している。

すべての列がいずれかのプレイヤーに引き取られたら、全員がプレイに復帰し、最後に列を引き取ったプレイヤーから順番に、山札から終了カードが引かれるまで(正確には終了カードが出たら、1.2.の行動を続行し、すべてのカードが引き取られた時点で終了)1.2.を繰り返す。

コロレットで重要なのは1.だ。できるだけ同じ色を集めたいプレイヤーに対し、他のプレイヤーは、そうはさせじと別の色を取らせにくる。例えば自分が青の色を集めていて、カード置き場に青のカードが置かれていたら、他のプレイヤーはそこに違う色を重ねてくる。そうすれば、青を取りたいのに別の色を取らされるわけで、ジレンマが生まれる。
また、他のプレイヤーが早々に2.を実行して離脱していると、カードをめくる=自分がそのカードを取らざるを得ない状態になる。集めているカードが出てくればラッキーだが、集めていないカードがめくられればダメージを負う。これもまた悩ましい。

このように、コロレットは他人への嫌がらせ要素を含むので、初心者向けではないと言われることが多いのだが、おれは全然そう思わない。直接的な攻撃をする要素は、確かに人を選ぶだろう。しかしこのゲームは本当に「嫌がらせ」程度なので、遺恨は残らないし、カードを置いた場所について納得感があり、理不尽な仕打ちがないからだ。
それに、初心者に勧める理由にはもう一つある。自分の手番にできることが2つしかないので、何をやったらいいのかわからない、ということがない。また、同じ色をたくさん集める、という目的がはっきりしているので、見通しがよいのだ。
適度な運要素があるのもイイ。むしろ運要素は強めではあるが、引き際も自分で選べるので、運100%ではないため、勝ったときも自分の意思で勝利をつかんだ感覚がある。

基本ルールでは、同じ色を集めればそのままプラスなのだが、上級ルールでは得点ルールが変わり、「同じ色3枚までは得点が上がっていくが、4枚以上集めると得点が少し下がる」という内容になる。つまり、ある程度同じ色を集めたら、4枚以上にならないように立ち回らないといけないし、4種類目の色については3枚持つと失点が最大になるので、今度はその色を少し増やさなくてはならないため、考えどころが増える。得点ルールを少し変えるだけでここまでゲームレベルが上がるのは、実にエレガント。

得点計算方法

左が基本ルールの得点計算方法。同じ色を6枚集めれば21点となることがわかる。真ん中が上級ルール。3枚集めた時点で得点のピーク。右は終了トリガーとなるカード

ボドゲをはじめてやる人がいれば、街コロよりもコロレット。これは間違いない真実である。

boardgamegeekのページはこちら。ちなみに埋め込みの画像は2003年の初版のもので、本記事中のものは10周年記念版のカード。初版よりも段違いにかわいいので、手に入るのであれば10周年記念版を勧めたい。ゴールデンカメレオンというカードを追加して遊ぶこともできる。

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